小さな物語

日常の中で、ふっと頭に浮かぶイメージや言葉を追いかけていく…、 そこから出来上がる小さな作品です。

ジェンとケイトと、ソフィーとマグノリアの物語



ジェンとケイトと、ソフィーとマグノリアの物語は、感受性を持て余す四人の女たちの小さな物語です。

 

「ジェンとケイトの物語」

no.1 ジェン、ジェン起きたの

no.2 ねえケイト、もし死ぬ場所が選べるとしたら深海と宇宙とどっちがいい

no.3 芸術家になってはいけない、ハッキリと誰かにそう言われたわけではなかった

no.4 それはすべてのものが深い闇に息を殺してうずくまる真夜中に起こった

no.5 その日は天気のはっきりしない日だった

no.6 悪いわねケイト、付き合わせちゃって

no.7 甘い香りが支配する公園の入口付近では

no.8 大きな魚が小さな魚を食べ尽くした

 

「ソフィーの物語」

no.1 今日もまた、曖昧な夢の中で目覚めた

no.2 砂糖のような甘さを含んだ白いペンキで塗られた店から

no.3 私たちはこの罪からいつ自由になれるのだろう

no.4 ジルと名付けた子犬のために、ソフィーは懐かしい街にやってきた

 

マグノリアの物語」

no.1 彼女は断崖絶壁に立ち、荒れ狂う海に覆い被さる陰鬱な空の向こうを眺めている

no.2 でっぷりとした腹の男が、左右に大きく身体を揺らしながら遠ざかっていく

no.3 その小さな洞窟は断崖絶壁に鎮座するヘソのようだと思った 

no.4 その家では何もかもが薄暗かった 

 

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